ロシアとウクライナの停戦協議がオンライン形式で始まりました。一方、裏で繰り広げられているのが、ロシアの機密情報をアメリカなどが公開する“情報戦”です。専門家は「ロシアの内部分裂を狙っている」と話しています。

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オンライン形式で始まった停戦協議。対面で行われた前回は、首脳会談の可能性も含め「一定の進展があった」としていましたが、主権をめぐってウクライナ側と対立しているクリミアとドンバスについて、ロシアのメジンスキー大統領補佐官は、「ロシア側の立場は変わらない」と譲歩しない姿勢を明らかにしました。

停戦協議の裏で繰り広げられているのが、アメリカなどがロシアの機密情報をあえて公開する“情報戦”です。

アメリカ・ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長は先月30日、「側近がプーチン大統領を怖がって誤った情報を伝えている」などと発言しています。

これにロシア側は反論。ロシアのペスコフ報道官は「プーチン大統領やロシア政府で起きていることを理解していない。これは残念なだけでなく、こうした誤解が誤った軽率な判断を招き、非常に悪い結果をもたらすことになる」と警告しました。

しかし先月31日、バイデン大統領も畳みかけました。

アメリカ バイデン大統領

「確証はないが、プーチン大統領が一部の側近を更迭したり、自宅軟禁したりしている兆候がある」

「プーチンは外部との接触を避けているようだ」と、ロシアの政権内部の情報を語りました。

情報戦に詳しい日本大学・小谷賢教授は、欧米とロシアの対応について、次のように話しています。

情報戦に詳しい日本大学 小谷賢教授

「停戦交渉をやっていますので、ロシアのペースで事が進まないように、牽制の意味もかねていろんな情報を出していると思う」

さらに、「ロシアの内部分裂も狙っている」といいます。

小谷教授は、「アメリカやイギリスは、プーチンの取り巻きからも情報をとっているはずなので、そういった情報を小出しすることによって、プーチンの不信感をさらに増大させる、相互不信を高めるねらいがある」と指摘しています。

(4月1日『news zero』より)

https://news.ntv.co.jp/category/international/c90a701abbdf408296aca2280816ad12