福岡・久留米市で、木製の栓が抜かれ、農業に使用するため池の水が9割以上がなくなる被害がありました。田植えの時期を前に、農家からは憤りの声があがっています。

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水が抜かれていたのは、福岡・久留米市の神野池第二堤です。

藤山町水利組合 中尾信昭委員長

「ここまでは水が入っているんです。それが全部抜けてしまった」

今年2月には、ため池は、ほぼ満水状態だったといいます。28日、管理する水利組合の組合員が見回りに訪れた際、木製の栓が抜かれ、9割以上の水がなくなっているのを見つけました。

木栓は穴にハンマーで打ち付けられ、頑丈に固定されていて、簡単には抜けないようになっていたということです。

このため池では、田植えが始まる6月10日に取水が予定されていました。

ため池を利用する生産者

「悪ふざけでは済まない。育たないということになると、非常に憤りを感じます」

また、神野池から約1.5キロ離れた「キロメキ池」でも、排水溝の蓋が開けられ、3割程度の水がなくなっていました。

一帯は川が少なく、農業に必要な水をため池に頼っていて、水利組合では「雨が少ない日が続けば、1か月分の農業用水が足りなくなる」と懸念しています。

水利組合は、警察に被害届を提出することにしています。

https://news.ntv.co.jp/category/society/b5b493b1d78f418b8d295d780283359c