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赤城神社のご神木にクギで打ち付けられたわら人形。頭部にはプーチン氏の似顔絵のような紙が貼られていた=千葉県松戸市幸谷で、読者提供

 千葉県松戸市の複数の神社で5月中旬~下旬、ロシアのプーチン大統領の似顔絵のような物を貼り付けたわら人形が、ご神木や境内の木にクギで打ち付けられているのが見つかった。ウクライナ侵攻を続けるプーチン氏への非難の意味があるとみられるが、神社や地域住民は「ご神木を大切にしてほしい」「神社は人を呪う場所ではない」と困惑。松戸東署は建造物侵入などの疑いもあるとみて調べている。

 同署によると、わら人形を見つけたという届け出は5月中旬から相次ぎ、7日までに10カ所近くに上る。JR常磐線の馬橋駅から北小金駅間の国道6号沿いのエリアに集中しているという。わら人形の形状が似ていることから、同一人物が打ち込んだ可能性もある。

 新松戸駅に近い同市幸谷の赤城神社では5月24日、神社役員の男性がご神木である「スダジイ」にわら人形が打ち付けられているのを見つけた。人形の頭部にプーチン氏の似顔絵のような紙が貼り付けられ、頭と胸に1本ずつクギが刺さっていた。役員らで対応を協議し、警察に通報。その後、人形は塩と酒で清めてから焚(た)き上げて供養したという。

 ご神木は市の保護樹木にも指定されている地域のシンボルだ。神社役員の田嶋幸浩さん(60)は「戦争をやめてほしい気持ちは理解できるが、ご神木にこういうことをするのはやめて」と訴える。

 同じ日には、500メートルほど離れた三日月神社でも、境内のシイの木に人形が打ち付けられているのを参拝者の女性が発見した。神社の役員によると、同19日午後2時ごろ、肩掛けカバンから人形らしき物をのぞかせた男性の神社に入っていく様子が防犯カメラに映っていた。すぐに警察に通報し、わら人形は倉庫に保管している。

 氏子総代の渋谷信雄さん(81)は「神社は呪うところではなく祈るところ。神社に対して普通やらないことを平気でする人がいることが不安だ」と話した。【柴田智弘】

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