タス通信によると、ロシアの大統領報道官は8日、プーチン大統領が国営テレビを通じて国民からの要望などに答える6月恒例の特別番組「国民対話」を、今年は6月に実施する予定はないと明らかにした。番組上で、ウクライナ侵攻に伴って国民の間で高まる不満を直接ぶつけられる事態を避けている可能性がある。

 報道官は「準備はしている」と述べ、7月以降の実施に含みを持たせたが、今年は行われないとの見方が出ている。露国内では急激な物価上昇やモノ不足が表面化しているほか、露軍の戦死者数など回答しづらい質問が想定されるためだ。

 ロシアでは国営テレビを主要な情報源にしている人が多く、プーチン氏はこの番組を特に重視してきた。内容は、ゴミ問題から国際情勢まで多岐にわたり、番組の放送直後、国民の要望がかなえられる事例が毎回のように報告されている。昨年は約70の質問に約4時間をかけて回答した。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220609-OYT1T50198/