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巨大な岩壁が今にも入り口をふさぎそうに見える羽山第2トンネル=高梁市成羽町羽山

 細い山道を車で進むと、眼前に巨大な岩壁が立ちはだかった。行き止まり…かと思いきや、下の方に何とかくぐれるほどの真っ暗な穴が。「でも、本当に通過できるの!?」―。初めての人はきっとハラハラするに違いない。

 高梁市成羽町羽山にある羽山第2トンネル。岡山県内の県道では唯一現存する素掘りのトンネルで、のみで削った跡が荒々しい。車1台がやっと通れる幅の道が30メートル余り続く。

 銅や赤色顔料・ベンガラ生産で栄えた吹屋と、成羽の両地区を結ぶ交通路として1919年から2年がかりで築かれた。地元の徳森勝造さん(88)=同市=は「岩壁の上から作業員をつり下げて作業をしたとも聞く。難工事だったはずだが、先人が知恵と力を尽くしたのだろう」と感心する。

 石灰岩の峡谷がつくり出す備北地域ならではの圧巻の景色。市観光協会によると、愛車を入れて写真に収める人も多いという。ただ一帯の駐車スペースはごくわずか。くれぐれも交通安全にはご注意を。

 アクセスメモ JR備中高梁駅(高梁市旭町)から北西に約10キロ、車で約30分。成羽川の支流・島木川沿いを走る県道宇治下原線にある。トンネルの道幅は3メートル、車両の高さ制限は2・5メートル。

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