在カタール日本大使館は、W杯の観戦に訪れる日本人に向け、帰国時に支障が生じないよう、可能な限り新型コロナウイルスワクチンを3回接種してから渡航するよう呼びかけている。

 今回のW杯はコロナ禍での初開催だが、昨年の東京五輪・パラリンピックとは異なり、入場制限はない。カタール政府は期間中、人口の約4割に当たる約120万人が訪れると予想。ホテルの需給は 逼迫ひっぱく し、価格も高騰している。宿泊期間を延ばすのは難しいとみられる。

 日本への帰国には本来、水際対策としてワクチン3回の接種証明か、出国前72時間以内の検査による陰性証明が必要だ。ただ、今後の感染状況によってはPCR検査をすぐに受けられない可能性もあり、同大使館は「検査待ちで滞在を延長しようとすると、行き場を失う恐れがある」としている。カタール政府は陽性判明者に5日間の自主隔離を求めており、検査で陽性になると同様の事態に陥る。

 同大使館はこうした状況を踏まえ、入国前の3回接種を呼びかけるとともに、接種証明も陰性証明もない日本人が申し出れば、帰国に必要な文書の発給を決定。予定通りの航空機で出国し、日本の空港で検査を受けてもらうとしている。

 担当者は「大会中の例外的で時限的な対応だ」と強調。また陽性判明時には文書を出せないとし、「発症したら、ためらわずに医療機関を受診してほしい」と話している。

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