学校法人森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、近畿財務局職員赤木俊夫さん=当時(54)=が自殺したのは同省理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官の改ざん指示が原因だとして、妻雅子さん(51)が1650万円の損害賠償を佐川氏に求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。中尾彰裁判長は「公務員の個人責任を認める法的根拠は見いだしがたい」として請求を棄却した。

 中尾裁判長は、財務省の調査報告書に沿う形で、改ざんが組織的に行われたと認定。俊夫さんが抵抗していたことも認められるとしたが、公務員が職務で他人に損害を与えた場合は国が責任を負うとする国家賠償法の規定に基づき、請求を退けた。

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