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ワーキングチームの会合で発言する自民党の小野寺五典安保調査会長(左から6人目)。同5人目は公明党の佐藤茂樹外交安保調査会長=衆院第2議員会館で2022年12月6日午後3時48分、竹内幹撮影

 立憲民主党は6日、国会内で党憲法調査会の総会を開き、憲法改正に関する見解の中間報告の取りまとめを先送りした。改憲に前向きな自民、公明、日本維新の会、国民民主の「改憲4党」が国会の憲法審査会の議論で主導権を握る中、立憲も党の立場を明確にしたい考えだが、中間報告の取りまとめは来年の通常国会に持ち越しとなる見通しだ。

 中川正春会長は中間報告について「来年の国会に向け、憲法審査会で理論武装して攻めるために活用したい」と述べ、取りまとめに意欲を示した。

 立憲の憲法調査会は今年2月、国会のあり方▽情報化社会と人権保障▽地方自治▽安全保障--の四つの分科会設置を決めた。中川氏は「それぞれの課題に対する我々の党のコンセンサス(総意)を作っていきたい」とし、各分科会に対し今月6日までに中間報告をまとめるよう指示したが、期限までにまとまったのは、情報化社会と人権保障分科会のみだった。

 国会のあり方分科会では、緊急事態での国会議員の任期延長や憲法裁判所の設置、衆院解散権の制約、臨時国会の召集期限などを議論している。

 このうち、議員任期延長や憲法裁判所は、維新が実現を目指すテーマだ。立憲の見解は、他の野党との共闘関係を左右する可能性があるだけに、難しい判断を迫られる。

 泉健太代表は10月の講演で「維新は改憲政党ではあるが、そんなに差がないと思っている」と発言。維新が主張する9条改正を憲法審で議論することを容認し、秋波を送った。

 これに対し、共産党の志位和夫委員長はツイッターで「憲法をめぐって維新と協力の余地ありと考えているとしたら、とんでもない考え違い」と激しく反発。維新の馬場伸幸代表も「立憲とは憲法に対する考え方が違う。憲法の分野で協調するのは絶対に無理だ」と冷ややかだ。

 立憲の小西洋之氏は改憲4党の動きを「止めないといけない」と訴える。党内からは「強引に党のスタンスを決めようとすれば、反対意見が噴出して収拾がつかなくなる」(中堅)との声が出ている。【加藤明子】

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