日本政府が中国との間の直行便の受け入れを30日から制限する水際対策の強化に乗り出したことで、香港からの訪日旅行客に影響が出る見通しとなった。北海道や沖縄などの便が欠航となり、すでに到着している旅行客が日本に「置き去り」となる。旅行を計画していた人も、とりやめることを余儀なくされそうだ。

 中国政府は26日、ゼロコロナ政策の転換で新型コロナの感染が爆発的に広がるなか、1月8日から中国に入国する際の隔離を撤廃するなどと発表。中国人の海外渡航が急増する可能性が高まる中、日本政府は中国からの直行便を成田、羽田、関西、中部の4空港に限定し、増便しないよう航空会社に要請した。この際、香港とマカオからの便も、制限の対象に含まれた。

 もともと中国本土からは現在、この4空港以外の直行便はなかった。しかし、10月から隔離なしでの往来が正常化していた香港は、4空港のほか札幌、福岡、那覇にも直行便が運航。11月には前年同月の800倍にあたる8万3千人が訪日し、温泉やショッピングを楽しむなど、日本旅行ブームが起きていた。

 そこに突然、香港便も制限されることになった。すでに日本に到着している旅行客は、30日以降の帰りの便もなくなる。このため、香港航空は30日から1月4日にかけ、札幌と那覇に空の飛行機を9便飛ばし、乗客を出迎えることを決めた。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASQDX6QJWQDXUHBI011.html?iref=sptop_7_02