1/22(日) 9:01   MINKABU
https://news.yahoo.co.jp/articles/5fe1403f316944aabd2a0f6aee8c0ca6c9446137

菅義偉元総理大臣が岸田文雄政権の増税規定路線に異を唱えた。不景気+インフレで生活が厳しくなっている中で、多くの国民の声を代弁した。ジャーナリストの小倉健一氏が「なぜ今岸田下ろしが起きないのか」「菅義偉氏の公然批判の意図は何か」を解説する――。

この状態でそもそもなんで岸田下ろしが起きないのか
 なぜ、自民党はこの人を首相の座から引きずり下ろし、岸田文雄氏を首相の座につけたのか。私が、自民党に対して、強い不信感を持たざるを得ないのは、この点だ。
 普段は「自民党は懐が深い」だの、「国益のためには、不人気な政策をも実行する」などと言いふらしておきながら、自民党国会議員たちは、自分たちの選挙が近づくと、菅義偉氏という有能な指揮官をさっさと引きずり下ろした。今、支持率が超低空飛行の岸田首相を下ろそうという動きがほぼ皆無なのは、4月に実施される統一地方選挙において改選となるのは、あくまで地方議員であり、自分たちの地位が脅かされないためだ。
 「岸田を下ろすと次が河野太郎氏か、茂木敏充氏という永田町や霞が関から支持を得ていない人になるから、岸田下ろしが起きていない」などとする風説が、まことしやかに出回っているが、完全に出鱈目(でたらめ)。岸田首相が増税政策を連発する中、自民党国会議員で減税を訴えた人は100人以上いるが、とにかく国会議員という椅子にしがみつきたいから、何もしないのだ。

総理大臣にあと一歩となったところで、増税を一旦封印した岸田氏
 岸田首相はこれまで、筋金入りの増税主義者として、政治家の道を歩んできた。政調会長時代には「財政健全化の道筋を示すことが、消費を刺激して経済の循環を完成させる」「財政出動が将来への不安を増大させかねない」「最優先の課題として消費税引き上げが必要」と発信してきた。つまり、増税すると世間が安心して消費をするようになる、増税が消費を刺激して景気が良くなるという摩訶不思議な理論を、政治家として実践してきた。
 それが総理大臣にあと一歩となったところで、増税を封印。その後、衆議院選挙、参議院選挙を経て、何事もなかったかのように、昔の自分を取り戻し、増税を推進しはじめたのだ。
 最近の例では、国が二酸化炭素(CO2)の排出に課金して削減を促す「カーボンプライシング(炭素課金)」の導入だろう。「課金」という言葉で誤魔化(ごまか)しているが、要するに「税金」のことである。昨年の防衛増税に続いて、また国民負担を増やす。

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