1/29(日) 12:00    朝日新聞デジタル
https://news.yahoo.co.jp/articles/db1f8ee60f860bf1a6e05745fd44580ae5318740

 神戸市兵庫区湊町1丁目の集合住宅で、死者4人を含む計8人が死傷した火災で、出火原因とみられるのは、電化製品をつなぐ延長コードの劣化だった。同じような原因の火災は過去にも起きており、消防などは注意を呼びかける。

【図】あなたの延長コードは大丈夫ですか?配線の危険チェックリスト
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20230127002753.html?oai=ASR1W5JK0R1TPIHB01Z&ref=yahoo

 兵庫県警が火元とみているのは、火災で亡くなった86歳の男性が住んでいた1階の一室。約6平方メートルの畳の部屋に1人で暮らしていた。

 捜査関係者によると、室内の延長コードに複数のショート痕があり、畳に燃え広がった形跡があった。

 電動ベッドの傍らにキャスター付きのテーブルがあり、動かすと延長コードを踏みつける状態になっていた。コードが繰り返し踏まれたことで内部が劣化し、発火に至った可能性が高いという。

 室内には冷蔵庫や電子レンジ、電気ケトル、テレビなどの電化製品があり、いくつかが延長コードに接続されていたとみられる。

 独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)によると、延長コード内のケーブルは通常、ビニールで絶縁されている。

 だが今回のようにキャスターに踏まれたり、家具やベッドの下敷きになったり、束ねて使ったりすると劣化し、ビニールが破れてしまう。ケーブル同士が接触してショートを引き起こすという。

 NITEは2016年から6年間に、延長コードやテーブルタップの発火事故を250件認知した。近年減少傾向にあったが、20年から増加に転じた。新型コロナ禍のテレワーク増加が要因と考えられるという。

 担当者は「コードのひび割れや変色、発熱に気づいたら使用しないでほしい」と呼びかけている。