2023年3月14日 19時41分    NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230314/k10014007621000.html

去年1年間に、みずから命を絶った人は全国で2万1881人と増加し、中でも児童・生徒の数は過去最多となりました。

厚生労働省の発表した確定値によりますと、去年1年間に、みずから命を絶った人は全国で2万1881人となり、おととしに比べて874人、率にして4.2%増えました。

おととしは前の年より減りましたが、去年は、増加に転じました。

▽男性が1万4746人で2009年以来の増加となり、
▽女性は7135人で3年連続の増加となりました。

男性は全体の67.4%を占めています。

年代別では、
▽50代が475人増えて4093人と最も多く、
次いで、
▽40代が3665人
▽70代が2994人などとなりました。
また、児童・生徒は、
▽高校生が354人
▽中学生が143人
▽小学生が17人で
合わせて514人となり、統計がある昭和55年以降、初めて500人を超えて過去最多となりました。

厚生労働省は「子どもや中高年の男性で増えていて、現在行っている電話やインターネットでの相談・支援をさらに進めるほか、関係省庁とも連携して対策を進めたい」としています。

厚生労働省はホームページなどでさまざまな相談窓口を紹介しています。
主な電話での相談窓口
厚生労働省では、電話やSNSなどの相談窓口を紹介しています。

▽NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」が行う「#いのちSOS」
(0120−061−338)

▽一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が行う「よりそいホットライン」(0120−279−338)
※岩手・宮城・福島からは(0120−279−226)

▽一般社団法人「日本いのちの電話連盟」が行う「いのちの電話」
(0120−783−556)

▽都道府県が実施している電話相談などに接続される「こころの健康相談統一ダイヤル」
(0570−064−556)

このほか、以下の子ども向けの相談窓口も紹介しています。

▽NPO法人「チャイルドライン支援センター」が行う「チャイルドライン」
(0120−99−7777)

▽文部科学省が行う「24時間子供SOSダイヤル」
(0120−0−78310)

▽法務省が行う「子どもの人権110番」
(0120−007−110)

ホームページは「まもろうよこころ」でも検索できます。
厚生労働省「まもろうよこころ」
※NHKサイトを離れます
専門家「コロナ禍で子どもたちが居場所失った可能性」
電話やSNSなどを使って、自殺防止対策に取り組んでいるNPO法人の代表は、児童・生徒の自殺が過去最多となったことについて「もともと生きづらさを抱えていた子どもたちがコロナ禍によって家庭や学校以外の居場所が失われ、その状況から逃れるために命を絶つ選択をしたケースが増えた可能性がある」と分析しています。

NPO法人「ライフリンク」は2004年から自殺対策に取り組んでいて、2018年以降はSNSなどを通じて生きづらさを抱える人たちの相談を受けてきました。

代表の清水康之さんは、去年1年間にみずから命を絶った人の数が増加に転じたことについて「コロナ禍の影響で子どもや女性の自殺が増え、去年は男性も増加に転じ、成人の男性からは所持金が数百円だという相談が寄せられている。それに加えて、子どもからも『居場所がなくなった』という相談が寄せられていて深刻さが増している」と話しています。