都立施設「東京都人権プラザ」の企画展で昨年、関東大震災の朝鮮人虐殺に触れた映像作品の上映が認められなかった問題を巡り、作品を制作した飯山由貴さんや市民有志らは1日午後、作品の上映などを都に申し入れた。

 上映が認められなかったのは、戦前に都内の精神科病院に入院した朝鮮人の診療記録を基に、在日韓国人の苦悩などを表した約26分の映像作品「In-Mates」。歴史学者の外村とのむら大まさる東京大教授が「日本人が朝鮮人を殺したのは事実」と説明する場面がある。

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作品の上映などを都人権部に申し入れる飯山さんら=東京都庁で

 昨年8~11月に同プラザで開催された飯山さんの企画展の関連事業で作品の上映が予定されていたが、都人権部は「企画展の趣旨にそぐわない」として認めなかった。飯山さんらは今年3月、中止理由の説明や上映を求める要望書と約3万筆の署名を都に提出。6月以降、都庁前で毎週抗議デモを行っている。

 申し入れに参加したのは飯山さんら約30人で、都庁1階のセキュリティーゲート前で人権部の担当者に申し入れ書を提出。要望書に対する回答がないとして「話し合いの設定を」などと求め、上映を実施するよう促した。参加者全員のゲート通過の可否を巡り、申し入れ側と都側が押し問答となる場面もあった。

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