韓国「原発処理水批判」のウラで「起きていること」
今回、福島原発処理水の放出に関する韓国での報道をウォッチしていて、いまだに左派議員、団体による非科学的なデマでの被害が「日本に責任がある」様に書いていた大手メディアがあって、驚いた。

反面、朝鮮日報は安定して非科学的根拠を正論で潰している。

たとえば8月24日の放出以降に、8月30日には『福島原発汚染水海洋放出どこ吹く風…韓国各地で水産物祭り、連日の大盛況』として、韓国国内で「水産物消費が減少するのでは」という当初の懸念に反して、水産物関連のイベントは逆にどこも盛況が続いていると伝えている。

また、31日には『「デマ学習効果(狂牛病デマ)」? 韓国水産市場の来場車両37%増、スーパー売り上げ10~12%増』と報じて、じつは処理水放出によってまったく“負の”影響を受けてない韓国社会の模様をとりあげているのだ。「先週末に鷺梁津(ノリャンジン)水産市場を訪れた車の台数は通常よりも多く、スーパーマーケットの水産物売り上げも増加しました」と伝えている様はリアルだ。ちなみに、鷺梁津水産市場はソウルでもっとも繁盛している水産市場だ。

回転寿司は「大盛況」って…!
ちなみに、私の住む駅三(ヨッサム)から一番近い水産物も扱う市場に、蚕室(チャムシル)のロッテタワーが隣接する可楽(カラッ)市場がある。そこの知り合いの水産物業者に今回の騒動を聞いて見ると、「何の影響もない」とさらっと言うのである。

韓国でも中国同様、塩買い占め騒動もあったが、その話をすると「報道で見たけど、いったいどこか(お店)教えてほしいよ(笑)」と呆れ返っていた。

それだけではない。私の家の近所にある回転寿司は昼も夜も30分待ち状態はいまも変わりないし、刺身専門店や海産物を扱う飲食店も普通にお客が入っている。

一方で左派擁護メディア(記者)は、国民が見放しているにもかかわらず、何とか野党、左派団体のデマに真実味を持たせて伝えたい必死さが見える。ある大手メディアの左派思想記者は、地方、ソウル郊外の水産物市場を取材して客の入りの悪いことをアピールし、「これこそ福島原発処理水の影響だ」と伝えていたが、あきらかにミスリーディングだろう。

なにせ韓国の総人口5174万 (2021年)のうちソウルと京畿道に約2400万人の人口が日中はソウル市内に密集している。そのソウルを外して、郊外の市場を取材して客の入りが悪いとは、大手メディアなのに……という感じだ。

報道の変化
韓国最大野党の『共に民主党代表』の李在明氏が、6月8日に韓国の中国の大使を訪れて、福島原発処理水問題の共闘をもとめたが、中国大使から反対に尹政権の批判を受けたのは記憶に新しい。だが、日本の処理水放出を待っていま、中国は総力を上げて日本批判に立ち上がっている。

反面、これまで何とか国民の気持ちを「反日」に向かわせようと非科学的デマを拡散してきた韓国野党と左派団体では、もうデマもネタ切れなのか、手も出し尽くしたようだ。最近では『韓国で処理水めぐり攻防 大統領は食べて安全強調、野党は「断食」』という報道まで出る始末だ。

また、韓国の左派の言い分を擁護するメディアの報道を日本のメディアが「韓国民が…」と報道することでかなりの誤解が生じている面もある。文在寅政権の頃の「反日、不買」は国民がまだ声に出せない雰囲気があったが、いまは違う。ただ、国民が声に出して行動をしても、それを伝えるメディアが少ないーーというのがリアルな現実なのだ。

https://gendai.media/articles/-/115755