3月、札幌で開かれたアイヌをテーマにした講演会をめぐり、現場で抗議していた男性が講演会の参加者から暴行を受けけがをしたとして、警察に被害届を提出、捜査が始まっていることがわかりました。

 3月10日、札幌市中央区の「かでる2.7」前で撮影された映像には、男が男性と言い争ったあと、蹴りつける様子が映っています。

 映像が撮影された同じ日、その「かでる2.7」では『改めて問う!アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか?』と題された講演会が開かれました。

 暴行を受けたのは、講演会が「ヘイトスピーチにあたる」として抗議のスタンディングをしていた男性。一方、蹴りつけたのは講演会の参加者でした。

被害男性
「もし同じことやられたのが当事者だったらとか、声をあげたのが当事者だったら受ける攻撃は自分がやったときの何十倍にもなると思うんです」

 男性は暴行によって打撲のけがをしたとして、3月、警察に被害届を提出、受理されました。

被害男性
「一個人の話ではなくて、ずっと色々おき続けている、この差別とかヘイトスピーチに基づく、増え続ける暴力に対する話として考えたり報道していただけたらと思っています」

 男性への暴行を受け、男性らと抗議活動を行っていた市民団体は11日、北海道と「かでる2.7」を訪れ、ヘイトスピーチが疑われる講演会などについて施設の利用を制限するよう、要請しました。

 北海道は「関係者と協議して回答する」と答えました。

被害男性
「(行政には)こういうのスルーし続けたら、この先どうなるの書かなというのも想像したうえで、いろいろ施策を考えてほしいなと思っています」

 一方、講演会の主催者側は『講演会は問題意識の共有を願って行うもので、ヘイトスピーチにはあたらない』としています。

 男性への暴行によってけがをしたことについて、北海道警は、「被害届を受けて捜査中」とコメントしています。

https://www.hbc.co.jp/news/841b09a7cb7d1dc051f6fb1bc35057fa.html