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爆炎の中から黄櫨折(はぜのきいおり)が飛び出してきた。
「やったか!?」
「いや!!油断するな!!」
そういって、同じく爆炎の中から飛び出した高羽史彦(たかばふみひこ)が、黄櫨の横に着地した。
「奴はしぶとい」
高羽が黄櫨に向かってポーズを決める。
「なんなんだよ!!!」
掴みようのない高羽の強さに、苛立ちを見せる黄櫨が殴りかかる。
しかし、高羽は身体に何かを纏っており、黄櫨の拳もぬるんっとかわしてしまった。
「なんでローションまみれなんだよ!!」
「あんかけかもよ?」
「うるせぇ!!死ね!!」
「…ってマジであんかけじゃねーか!!」
「クソッ!!」
黄櫨があんかけのついた手を、自身のポケットでゴシゴシと拭う。
そして、髪の毛の一部をチリチリにしているだけで、呑気な表情を浮かべている高羽を見ながら、「マジでなんなんだ コイツは……!!何度も爆撃した!!5回は殺せてる手応えだ!!なんでその程度で済んでる……!?」と、黄櫨は考えていた。
さらに、「始めの傷もいつの間にか治ってやがる。だが俺のように反転術式を使った気配がない。意味が分からねぇ!!」と考えていたその時
「黄櫨様」
突然、自身を呼ぶコガネの声が聞こえた。
「なんだ」
「レジィ・スター様がお亡くなりになりました」
コガネの言葉に、表情の固まる黄櫨。
しかし、すぐに踵を返し、高羽とは反対の方向へ歩き始めた。
「お どうした?」
その場を立ち去ろうとする黄櫨に高羽が声をかける。
「帰る やってられるか」
「そうか!!風呂入れよ!!歯磨けよ!!」
そういって、黄櫨に笑顔を見せる高羽。
しかし、すぐに何かに気づき、黄櫨の後ろを歩き始めた。