覚書として書き込む。

私には魔のワンピースと悪夢のアイシャドーとよぶいわくつきの物ある。

まずは魔のワンピースから。

今から10年近く前、姉の結婚が年明けに決まりぼちぼち結婚式の5月が近くなってきた頃。
家でゴロゴロしていると父から電話がかかってきた。
近くのショッピングモールにいるから出て来いと呼び出された。

私は式にはお下がりのピンクのワンピースを
着るつもりだったが、おまえには似合わない。
新しい洋服を買ってやると提案された。


ちょうどその頃私は会社を辞めてフリーター
生活。自動車学校に行ったりパソコン教室に通っていたので、父の申し出はうれしかった。

ショッピングモールのテナントなのでそれほど高いものではないが、某アパレルメーカーのワンピースを買ってもらった。
グレー地に黒の小花がかわいいものだった。

姉の結婚式も無事終ってから、こんな私にも彼氏ができた。
夏になり海辺の花火大会に行くことになった。
私はあのワンピースを着ようと思った。
さすがに少し華やかなので、上にカーディガンを羽織ることにした。

花火大会は楽しかった。
強いていえば新しいサンダルが靴ずれをおこして痛かったぐらいだ。
しかし、花火大会を最後に彼からの連絡はめっきり減っていった。