「教育ママになりやすい母親」とは、子供の頃成績優秀で、それを誇りにしていた母親か、逆に子供の頃成績が悪く、劣等感をいだいていた母親か、どちらか両極端だと言われる。
なぜそうなるのか、その理由は、まあ言うまでもないだろう。
本作の内容によれば、のび太の母親、野比玉子の場合は前者らしいのだが……。

それにしては、玉子の場合、あまりにも愚かな行動が目立つ。やることなすことすべてが、あまりにも思慮が浅く、直情的である。
何よりも、「子供は、勉強しろと言えば言うほど、勉強嫌いになるもの」という、自明の事実にすら気付いてないように見える。

あくまで想像だが、玉子の場合、頭そのものは悪いのではないだろうか。ただ、記憶力だけは良かったのではないだろうか。
彼女の成績が良かったのは、すべてその記憶力のおかげ。しかし玉子自身は、そのことにまったく気付いておらず、「自分は頭が良い」と信じて疑っていない。
そうとしか思えないのだが。