オルフェンズはロボットを格好良く見せるシーンに関しては普通に合格点の出来上がりだろ。例えストーリーが賛否両論でも、戦闘シーンでその不満を払拭できれば最低限の成功は得られる。

物理縛りのせいで宇宙戦闘が地味になるデメリットがあったけど、チャンバラを見せた方が基本的にウケがいいから逆に短所が長所にも成り得た訳で、そこは工夫次第。



境界戦機は、ゴースト初登場回にハッキングされた継ぎ接ぎだらけのニュウレンやジョーハウンドを悪のゴースト軍団の一員として捨て駒同然に乱入させたり、「ゴーストを停滞した物語を動かす舞台装置」として登場させた以上、民間人や正規軍にとっての脅威度を格段に上げれば話の幅はもっと広げられただろう。

市民に直接的な被害を出したり、その辺のジャンクを再生して手駒に加えたり、正規軍の兵器をパクったり、発電所の近くで電気泥棒したり。北米圏でも暴れていたら、舞台装置としての役者冥利に尽きる。

そして各勢力はゴーストの所属をお互いに擦り付けて戦争を再開する大義名分を得ようと画策したり、ゴーストを適当なレジスタンスのせいにしたら、その当の組織から反対の声明が出されたりする。アモウたちにゴーストを倒させたいなら、AIが敵の手に渡る以外の有意義な要素は盛り込むべきだった。ゴーストに民間の被害を出させるだけでも、ガシンの仇討ち以外の意味がより強く裏打ちできたはず。




だから境界戦機が設定フワフワのままコンテンツ展開を敢行したいのであれば、物語を動かす舞台装置として欠かせなかったゴーストを絶対に許してはいけないし野放しにはできない悪役としてもっと作り込むべきだった。設定がダメなら、もうその案で勢いよくゴリ押ししていくしかない。

最初からハッキング能力があるなら、ニュウレンやバンイップブーメランの空気化を防ぐ意味合いも込めて悪のゴースト軍団とか出して欲しかった。個人的にも、ハッキングされたアメインの軍団を従えて破壊活動するゴーストは見たかった。