これって「小説」なの?
2021年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
漫画を読んで面白いと思ったので原作を購入したけど、数ページ(第1話)読んで買わなきゃよかったと後悔。

漫画のセリフとモノローグを、ただ書き連ねただけのような文章。
背景(場面)描写も人物描写も状況描写もほとんど無しなので、登場人物がどんな場所でどんな状況でそのセリフを言っているのかまったく把握できない。

ほんと、漫画やイラストってすごいなと思う。あんな描写がすっからかんな文章でも、あれだけすごい絵が描けるんだから。

中国か朝鮮っぽい国の大奥っぽい場所に、人さらいに拉致されて売られた主人公の猫猫(マオマオ)。
それはわかるが、なぜそこに売られたのかとか、なぜマオマオの給料が人さらいの懐に入るのかとか、そういった細かい部分の説明は無い。
ほかにも最初の壬氏(ジンシ)との出会いの場面のあのセリフだけで「あのメッセージを書いたのはそばかす女(マオマオ)だ」と判断できたのかも謎だし、その後の呼び出しの場面だってマオマオ以外にも字は読めるけど「そばかす女」じゃないから部屋から出て行った人だっているんじゃないのかとか、細かい部分に穴があることが多い。
しかもなぜか薬オタクのくせに、マオマオはじぶんの治療は自分でしない。
後の事件で足を怪我した時も手当は他人にお願いしている。不思議。
興味のない分野には全く食指が動かないタイプのくせに、薬も毒も関係ない事件にまで最後まで付き合ってるのも不思議。

今更だけど、作品の内容はミステリではなくライトミステリ。
薬や毒やら専門用語を使って小難しくしてあるように見えるが、謎解きレベルは児童向けライトミステリのレベル。
なんでも「薬だ」「毒だ」と言っておけば許されると思ってる?と言いたくなるような突飛な内容も少しある。
これを緻密だの精巧だのとコメントしている人は、よほど「小説」を読んだことがないんだろうなとちょっと残念な気持ちになる