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2021年10月26日11時12分

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新しい資本主義実現会議で発言する岸田文雄首相(左端)。左から2人目は山際大志郎経済再生担当相=26日午前、首相官邸




 政府は26日午前、新しい資本主義実現会議(議長・岸田文雄首相)の初会合を首相官邸で開き、岸田政権の看板政策「成長と分配の好循環」を通じた中間層の所得拡大に向けた議論を開始した。会議では、分配の原資を稼ぎ出す「成長」と次の成長につながる「分配」を同時に進めることが重要だとの認識を確認。首相は「最優先で取り組む課題について、11月上旬にも緊急提言を取りまとめてほしい」と指示した。


 緊急提言には、デジタル化やグリーン化のほか、サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を通じた経済安全保障の推進などを盛り込む。衆院選で与党が勝利した場合、早期策定を目指す経済対策に反映させる。
 実現会議は、競争原理を重視した新自由主義から脱却し、成長の果実を社会全体に行き渡らせる仕組みづくりが目的。来年春までに新たな経済社会のビジョンをまとめる。
 首相は会議で、看護や介護、保育などの現場で働く人の賃上げに向けて「公的価格評価検討委員会」を設置する方針を表明。地方経済底上げのための「デジタル田園都市国家構想実現会議」やデジタル化と規制改革を一体で進める「デジタル臨調」も創設するとした。