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2021年11月3日 6時0分スポーツ報知

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立憲民主党・枝野幸男代表



 立憲民主党の枝野幸男代表(57)は2日、党執行役員会で辞任の意向を表明した。共産党との共闘路線を取った衆院選で公示前110議席から14議席減の敗北を喫したことへの引責辞任。10日にも召集される特別国会の閉会日に辞任する意向。党員らも投票に参加する代表選を12月までに実施し、福山哲郎幹事長(59)らを含む執行部を刷新する。後任の新代表には小川淳也元総務政務官(50)が立候補に意欲を示した他、泉健太党政調会長(47)らの出馬も取り沙汰されている。

 

 目にクマのできた枝野氏は、少し疲れた声で辞意を表明した。「ひとえに私の力不足でございます。新しい代表の下、新しい体制を構えて来年の参院選、次の政権選択選挙(衆院選)に向かっていかなければならないと決断致しました」

 関係者によると、枝野氏の脳裏に辞任の文字がよぎり始めたのは10月28日ごろ。街頭演説での手応えを踏まえた判断だった。党内の反対意見を押し切って野党候補一本化を進め、213選挙区で与党候補と対決。小選挙区は公示前48議席から57議席に微増したものの、比例代表は62議席から39議席に激減した。懸念した通りの結果になった。

 共産との連携は支援組織である連合の批判を招き「逆に票を減らし、勝てる選挙区を落とした」(中堅)との非難が続出。共産も議席減で「野党共闘でなく『野党共倒』だ」(ベテラン)。共同通信社が1、2両日実施した全国緊急電話世論調査でも5野党の共闘関係について「見直した方がいい」が61・5%に上った。

 党の規定では、任期途中で代表が辞任した場合、60日以内に代表選を実施することになっている。福山氏はラジオ番組で「12月までに代表を決めて来年の通常国会から新体制でスタートしたい」と述べた。特別国会だけでなく、今月下旬にも見込まれる臨時国会も現執行部のまま臨む考えだ。

 後任争いは本命不在だ。立候補に意欲を示した小川氏は、昨年の映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で知名度を上げた。選挙中の本紙インタビューでも「もう次世代でやるしかない」と語っており、今後は推薦人の確保に全力を挙げる。次世代のエースとされるのが泉氏。昨年の代表選で枝野氏に敗れたが、旧国民民主党のリーダー格だ。

 旧民主党時代に代表選への出馬経験がある馬淵澄夫元国土交通相(61)は「覚悟はできている」とし、党内環境を見極めた上で態度を決める方針。当選10回の玄葉光一郎元外相(57)を推す声もある。ただ衆目が一致して推す候補はおらず、党内では「誰が新代表でも党内はまとまらない」との懸念が出ている。