https://www.jiji.com/jc/article?k=2021110300799
2021年11月03日19時43分




 【ラゴスAFP時事】ナイジェリア最大都市ラゴスで1日、建設中の高層ビルが崩壊し、救急当局者は3日、これまでに22人の遺体を収容したと明らかにした。高級住宅街イコイで建設中だった20階を超える建物が突如崩れ落ちた。違法建築が指摘されているが、詳しい原因は分かっていない。
 9人の生存者が救出された一方、多数の建設作業員ががれきの下敷きになっている恐れがある。ブハリ大統領は1日夜、「救出作業の迅速化」を当局に命じた。捜索救出活動は3日目に入り、さらなる生存者発見の望みが薄れつつある中、救急当局者は「われわれは諦めない」と強調した。
 一方、救出活動では混乱も起きた。「3人の遺体を収容した」と語る救出ボランティアは、協力したにもかかわらず「軍に追い払われた」と批判。「この国では何が起きているんだ。こんな国は嫌だ」と怒りをあらわにした。
 現場には100人を超える建設作業員らの家族が続々と詰め掛け、救出活動を見守った。21歳と17歳の兄弟は「仕事に出掛ける前に話したのに」と、建設に携わっていた25歳の姉を思い顔を覆った。
 息子(50)の救出の報を待つ父(65)は「まだ望みはある」と述べた。「息子は普段暮らしている米国に帰る前に、友人に会うためここへ来ていた」とやり切れない思いを語った。