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毎日新聞 2021/11/4 19:32(最終更新 11/4 19:32) 763文字




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北海道旭川市

 北海道旭川市で3月、中学2年の広瀬爽彩(さあや)さん(当時14歳)が凍死しているのが見つかった問題で、広瀬さんは2019年6月に地元の中学生らが見ている中で川に入る自殺未遂を起こし、川の中から携帯電話で学校に連絡し「死にたい」と繰り返し訴えていたことが、遺族側に開示された道教育委員会の文書で明らかになった。

 文書や関係者によると、広瀬さんは市内の中学に入学した19年4月以降、他校の男子生徒らから複数回にわたり陰湿な嫌がらせを受けていた。さらに同年6月には公園で複数の中学生らの前でからかわれ、広瀬さんは「死んできます」などと言いながら土手から約3〜4メートル下の川岸に飛び降り、膝下程度の水深だった川に入ったまま学校に電話をしたという。



 道教委は「川に入った際、『死にたい』と繰り返し訴えていることから、心身の苦痛を感じていると考えられる」として、「客観的に見ていじめが疑われる状況」と指摘。学校側にいじめとして認知し、広瀬さん、加害生徒双方の保護者に対応するよう同年10月に指導していた。しかし、市教委は「本人からいじめ被害の申告がない」などとして、いじめと判断しなかった。

 この問題を巡っては、背景にいじめがあった疑いがあるとして、市教委が設置した第三者委員会が調査中。今津寛介市長は今年10月28日の市議会で「資料を精査し、いじめがあったと認識した」と答弁し、年度内に報告するよう求めている。【土屋信明】