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毎日新聞 2021/11/5 06:45(最終更新 11/5 06:45) 784文字




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開票作業をする京都市職員ら。比例近畿ブロックで多数の「民主党」票が府内で投票された=上京区役所で2021年10月31日午後9時29分、藤河匠撮影

 今回の衆院選の比例近畿ブロックで、旧民主党をイメージする「民主党」票が京都府内で約4万8000票を獲得していたことが分かった。れいわ新選組や社民党の得票を上回るほどの水準。かつて旧民主党を支援した労組には「あえて『民主党』と書いた」という根強い支持者もいるなど、一時は政権を担った旧民主への思いも根強く残っているようだ。

 府選管によると、比例代表で「民主党」と書かれた票は府内で4万8593票(速報値)に上った。れいわの4万2599票、社民の1万3006票よりも多く、得票総数(115万9553票)の約4%を占めた。府選管の担当者は「選管として分析などはしていないが、個人的には多いと感じた」と話す。


「案分」扱いで立憲民主、国民民主へ
 これらの票は、公職選挙法に基づく比例代表の略称が立憲民主、国民民主党とも「民主党」となっているため、両党の得票割合に応じて票を割り振る「案分」扱いとなる。府内の比例代表の得票数は立憲15万8980票、国民5万9593票。これに基づいて計算すると、「民主党」票のうち約3万5000票が立憲に、約1万3000票が国民に割り振られたことになる。

 立憲、国民とも混乱を避けるため、公式ツイッターなどで「比例代表は正式名称で」と呼び掛けていた。立憲府連の関係者は「有権者一人一人の『こちらの党を応援したい』という思いが正しく反映できていないのでは」と懸念。国民府連の幹部は「長年の支援者からは今も『民主党』と言われる。党として昔のイメージを捨てられていない」と明かす。



 一方、連合京都の広岡和晃会長によると、旧民主党を支援してきた労組OBを中心に「両党を応援したいので、あえて『民主党』と書いた」という人もいたという。広岡会長は「今は2党に分裂しているが、また大きな塊になってほしい。立憲の新しい代表に期待したい」と話した。【添島香苗】