https://www.sankei.com/article/20211109-YS6OMVOF3RI6HLVQVAPQDNZ3E4/
2021/11/9 20:42


https://www.sankei.com/resizer/lPyQFr9wb2rErLyl_PBCbsDojns=/1200x0/filters:focal(1620x1198:1630x1208)/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/N7JNZVCVYJPSPEL6YTPV52WNAY.jpg
蓮舫氏

立憲民主党の枝野幸男代表は9日の両院議員総会で、衆院選の責任を取り特別国会会期末の12日に辞任すると表明した。また、福山哲郎幹事長は記者会見で、代表選を12月召集予定の臨時国会前に党員・サポーターの投票を含む「フルスペック」で行う方針を示した。今後は候補者の出馬表明が焦点となるが、重視してきた多様性の象徴となる女性候補が名乗りを上げられるかが注目される。

枝野氏は9日の両院議員総会で「政治は結果だ。私自身の力不足そのものだ」と述べた。立民はこれに先立つ常任幹事会で、代表選の選挙管理委員長に難波奨二参院国対委員長の起用を決定。日程は枝野氏辞任後に正式に決める。

立候補には小川淳也元総務政務官と大串博志役員室長が前向きな考えを示し、泉健太政調会長や玄葉光一郎元外相も検討している。長妻昭副代表や馬淵澄夫元国土交通相、江田憲司代表代行を推す声もある。

最大の争点は、基本政策が異なるにもかかわらず衆院選で共闘した共産党との距離感となりそうだ。江田氏を囲む議員グループ「ブリッジの会」(20人)が9日に国会内で開いた会合では「共産との連携は見直すべきだ」との意見が出た。

一方、党内では女性候補が浮上していないことへの危機感も共有されている。立民は女性政策を重視してきただけに、先の総裁選で候補者4人のうち2人が女性だった自民党に後れをとるわけにはいかない。

とはいえ党内の女性議員は若手が中心で、中堅以上となると不安材料を抱えているのが現実だ。

旧民進党代表で知名度が高い蓮舫代表代行は、二重国籍疑惑を指摘された揚げ句、代表辞任に追い込まれた過去がある。衆院当選6回の西村智奈美元厚生労働副大臣は、性行為の同意年齢をめぐり、党内で不適切な発言を行ったとされる夫への処分に異論を唱えた影響を懸念する声もある。

衆院選で連携したれいわ新選組の山本太郎代表はツイッターで立民の森裕子参院幹事長を推すが、立民内には「政権批判路線が強すぎる」(中堅)と不安視する向きがあり、若手の代表として衆院当選2回の石川香織氏を推す声も聞こえる。帯に短し襷(たすき)に長しの状況に、あるベテラン議員は「辻元清美副代表の衆院選落選が痛い」と嘆く。

140人規模の政党にとっては国会議員20人の推薦人集めも立候補を阻む壁となり、党内の幅広い支持を得られるかがかぎを握りそうだ。(沢田大典)