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毎日新聞 2021/11/21 19:53(最終更新 11/21 19:54) 414文字




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戦没者の冥福を祈る参列者=台湾南部・恒春で2021年11月21日午前11時31分、岡村崇撮影

 太平洋戦争中に旧日本軍艦船が撃沈された台湾南方のバシー海峡を望む潮音寺(台湾・屏東県恒春)で21日、戦没者慰霊祭が行われた。新型コロナウイルスの影響で参加できない日本在住の遺族のため、慰霊祭の様子はオンラインで配信された。

 バシー海峡は当時の日本軍にとって重要な物資輸送ルートで、多くの輸送船が米軍の魚雷攻撃で撃沈された。「輸送船の墓場」と呼ばれ、犠牲者は10万人に上るともいわれる。奇跡的に生還した元日本兵の中嶋秀次さん(故人)が1981年に私財を投じて潮音寺を建設。戦後70年にあたる2015年から慰霊祭が始まり、今年で7回目を迎えた。




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コロナ禍で慰霊祭に参加できない日本在住の遺族のため、スマートフォンで動画も配信された=2021年11月21日午前11時24分、岡村崇撮影

 慰霊祭には関係者ら50人以上が参加。日本に住む遺族らの意向を受け、昨年に続いて今年もフェイスブックでライブ動画を流した。バシー海峡で祖父を亡くした山下素子さん(45)は「祖父を思う機会を与えてくれてお礼を申し上げたい」と遺族代表の弔辞をオンラインで述べた。【恒春(台湾南部)で岡村崇】