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毎日新聞 2021/11/23 19:30(最終更新 11/23 19:39) 506文字




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市内を警戒するタリバン兵士=カブールで2021年11月17日、AP

 アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの暫定政権は21日、テレビ番組や映画の放送に関する指針を出し、テレビで女優が出演するドラマを放送することを禁じた。またニュース番組などに女性が出演する際は、髪を隠す「ヘジャブ」を着用することも求めた。指針は、旧タリバン政権下(1996〜2001年)で女性の権利を抑圧したなどとして批判された勧善懲悪省から出された。

 指針は8項目あり、イスラム法(シャリーア)やアフガンの価値観に反する映画を放送しないこと▽「不道徳」を広める外国文化を紹介する国内外の映画を放送しないこと▽男性出演者が身体を過度に露出しないこと――などを求めた。



 勧善懲悪省は事実上の宗教警察で、旧タリバン政権下では「恐怖政治」の象徴とされた。01年の旧政権崩壊に伴い廃止されたが、9月に発足した暫定政権下で復活。それまで女性問題省だった建物に、勧善懲悪省が置かれた。

 タリバンの暫定政権下では、女性の権利制限に対する懸念が広がっている。閣僚に女性が含まれていないほか、地域によっては女子の中等教育も再開されていない。国際社会は、タリバンに対して女性の権利を擁護するよう求めている。【ニューデリー松井聡】