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毎日新聞 2021/11/23 20:27(最終更新 11/23 20:29) 804文字




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東京都議会の三宅茂樹議長(右)に辞職願を手渡す木下富美子氏=都議会で2021年11月22日午後7時49分、小川昌宏撮影

 無免許運転を繰り返したとして道路交通法違反で在宅起訴された木下富美子氏が22日夜に東京都議を辞職したことを受け、都議会各会派からは「遅きに失した」「自身の行動を省みて」などと指摘する声が上がった。木下氏が記者会見で「仕事をさせてもらえない理不尽な現実に悩んだ」と発言した点については、「2度の辞職勧告決議を軽視している」との批判が相次ぎ、辞職勧告に実効性を持たせる制度を検討したいとの声も出た。

 24日に木下氏を招致することにしていた議会運営委員会の小宮安里委員長(自民党)は22日夜、取材に「そもそもなぜこんな『理不尽』な状況になったのか。辞職勧告決議の受け止めなしに、仕事を続けたかったと言うのはいかがなものか。議会を無視したまま辞職したのは残念に思う」と述べた。



 木下氏を都議選で公認した都民ファーストの会の増子博樹幹事長は「事故当時、会派に所属していた議員であり、改めておわび申し上げる」と謝罪した。辞職勧告決議に法的拘束力がないことや、懲罰が議会内での事項に限られることについては「制度のハードルが明らかになった」として、法改正や条例案の検討を進めるとした。

 公明党の東村邦浩幹事長は「長期間にわたって議会を混乱させたにもかかわらず、記者会見でも真摯(しんし)な反省がなかった」と批判。「今後、こうした事態が起きることのないよう、辞職勧告決議の実効性を高めていく」とコメントした。



 共産党の和泉尚美幹事長は、議会として辞職を求めるあらゆる手続きを講じてきたとして「まさに都議会と世論が木下議員を辞職に追い込んだ。選挙によって選ばれることの重みが改めて問われた」と振り返った。

 立憲民主党の西沢圭太幹事長は「議会の決議や都民の声を軽視するような発言が目立ち、憤りを禁じ得ない」と断じ、今後は「自ら気を引き締め、リコール要件の緩和など必要な法改正に積極的に取り組む」としている。【竹内麻子、黒川晋史】