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2021年11月25日 15時52分スポーツ報知

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 仕事の都合で東京から関西に引っ越し、約10年になる。関西独特の文化に感動したり戸惑ったり、あっという間の日々だったが、いまだに自分にはうまい「ツッコミ」ができず、素早くおもしろいツッコミを入れる周りの人たちを憧れのまなざしで見つめる日々だ。

 今でも悔やんでいる出来事がある。大阪に来て間もない頃、仕事で帰宅が遅くなりタクシーに乗った時のこと。運転手さんはとても優しい人で、大阪で美味しい店などを教えてくれた。話が弾んで降車する際、乗車賃は1000円ほど。運転手はニッコリ笑って優しい声で「100万円」と言った。私は驚き、おそるおそる無言で1000円を差し出した。すると運転手は「おおきに〜」と快く送り出してくれたのだ。

 あとで知ったことだが、商店街の八百屋などで300円のおつりを「はい、300万円〜!」と言ったりする文化≠ェあるらしい。私はそれを知らず、「ボケ殺し」をしてしまった。しかし、考えてもなんと答えたら正解だったのか、自分では結論が出なかった。

 そこで、周囲の関西出身の人にどう答えるか聞いてみた。「『そんなん払えるか!』って言って反応を待つ」(20代男性)、「出世払いで…!」(30代男性)、「『じゃあ200万で!』と言う」(40代男性)、「またまた〜、じゃあおつり99万9000円ね!」(40代女性)という声や、「笑いながら聞き直して反応をみる」(40代女性)、「関西のノリ過ぎて、固まる」(50代男性)、さらには「”100万円”に根拠がなさすぎてイラッとする笑。『660万円です』『じゃあ1000億円で』『はい。お釣り340兆円』ならOK」(40代男性)などの声が集まった。

 自分でやるには難しい回答もあったが、「笑いながら聞き直して反応をみる」ならできそう。これからも少しずつ関西の文化にふれて学んでいきたい。(記者コラム)