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[ 2021年11月26日 13:48 ]

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10月の大規模通信障害で行政指導を受け、報道陣の取材に応じるNTTドコモの井伊基之社長(右)=26日午後、総務省
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 総務省は26日、大規模な通信障害を10月に起こしたNTTドコモに対して行政指導した。厳重注意するとともに、障害発生原因などの情報を他の携帯電話事業者と共有し、連携して再発防止に取り組むよう要求。通信しにくい状態が続いているさなかに「回復」と発表して混乱を招いたことを踏まえ、障害発生時の利用者に対する情報周知の改善も求めた。

 行政指導の文書を受け取ったNTTドコモの井伊基之社長は「利用者にご迷惑をおかけし、おわびする。指導をしっかりと受け止め再発防止に努める」と陳謝した。その後記者団に対し、障害で影響を受けた法人顧客について「業務やサービスを止めたことで補償の問題も出ている」と述べ、個別に対応を進めていることを明らかにした。

 今回の障害は少なくとも延べ1290万人の携帯電話利用者に影響が広がった。総務省は電気通信事業法上の「重大な事故」と捉え、再発防止策の徹底を求める行政指導が必要だと判断した。

 通信障害は10月14日に発生した。タクシーや自動販売機に搭載された電子決済用通信機器のネットワーク工事中に不具合が起きたことをきっかけに、携帯電話の音声通話やデータ通信が完全に使えなくなったり、つながりにくくなったりした。影響は全国に広がり、全面復旧まで29時間かかった。

 ドコモは今月10日、障害の原因に加え、障害発生時に携帯電話とそれ以外の通信を分離して制御する新方式の導入といった再発防止策をまとめた報告書を総務省に提出。井伊社長ら幹部8人の役員報酬自主返上を発表した。