https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/11/29/kiji/20211129s00042000002000c.html
[ 2021年11月29日 05:30 ]

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中国の習近平国家主席
Photo By 共同

 米FOXニュースは27日、「オミクロン」との名称について、世界保健機関(WHO)が中国の習近平国家主席への配慮から原則を曲げて決めたとの見方が出ていると伝えた。

 変異株の名称にはギリシャ文字のアルファベットを使用。これまでに最初の「アルファ」から12番目の「ミュー」まで命名され、順当なら「ニュー」「クサイ」と続く予定だったが、15番目の「オミクロン」となった。

 WHO報道官はFOXに「ニューは(“新しい”を意味する)“NEW”と混同されやすい」と説明。「クサイ」については習主席の姓である「習」の英語表記「XI」と同じため飛ばしたと指摘する声が上がっているが、「一般的な姓であり、いかなる集団にも嫌がらせとなることをしない」と強調した。

 これまでも「中国寄り」と批判されてきたWHO。大きな要因はテドロス事務局長の存在だ。昨年1月に中国国外でも感染が増加する中、「緊急事態宣言」の発表をいったん見送り。「発生源扱いを嫌う中国におもねった」との見方が広まった。

 母国エチオピアで保健相、外相を歴任。中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を進める中でエチオピアに巨額の投資を行った時期と重なる。一方、中国はWHOの一大スポンサー。このため、中国マネーでWHOがゆがめられたと言われてきた。

 対中強硬派の米共和党のコットン上院議員は命名を巡りツイッターで「WHOは公衆衛生より中国共産党の機嫌を気にしている」と批判。世界経済を再び失速させかねないオミクロン株。広がり次第では米国のイライラはさらに高まりそうだ。