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2021年11月30日07時04分

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日産自動車のロゴマーク=2020年7月、横浜市

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日産自動車の本社ビル=2018年、横浜市西区




 日産自動車は29日、車両の電動化投資を柱とする長期ビジョンを発表した。近年の業績不振からの立て直しが一段落し、電気自動車(EV)などの開発競争で巻き返しを図る。次世代技術をめぐりメーカー同士の連携が進む中、日産は仏ルノー、三菱自動車との3社連合を有効に活用できるかが課題となる。


 「会社の再生に一定のめどが立った」。内田誠社長は29日のオンライン説明会で、こう強調した。日産は、前会長カルロス・ゴーン被告をめぐる混乱や新型車不足、新型コロナウイルス禍で業績が低迷。2021年3月期連結決算は純損益が2年連続の大幅赤字となった。それでも、固定費の削減などにより、22年3月期は1800億円の黒字を見込む。
 一方、ライバルの自動車大手は電動化投資を加速。トヨタ自動車は30年までに電池開発に計1兆5000億円を投じる計画で、このうち1兆円を新工場の建設など生産能力の増強に充てる。ホンダは40年に世界での新車販売を全てEVと燃料電池車(FCV)にする野心的な目標を掲げる。
 日産は10年にEV「リーフ」を発売し、電動化で世界をリード。しかし、現在はEV販売台数で米テスラなど海外勢に後れを取っている。
 日産は長期ビジョンで、今後5年間に約2兆円を投資し電動化を加速する方針を打ち出した。さらに、内田社長は3社連合としても今後5年間で3兆円以上を投資すると説明した。ただ、3社連合の投資内容は来年1月公表の予定。電動化競争を勝ち抜く戦略を描けるか、3社連合の真価が問われる。