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2021.11.30

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 囲み取材に応じる吉村洋文知事

 大阪府の吉村洋文知事は30日、大阪府庁で囲み取材に応じ、新型コロナウイルスのワクチン3回目接種の「8カ月ルール」に苦言を呈し、国に対し「政治の力で乗り越えていくのが役割。働きかけをしていきます」と、現行制度の問題を提起し、改善を求めた。

 現在、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が確認され、ヨーロッパなどを中心に感染が拡大している。第6波に備え、岸田文雄首相も「外国人の入国を30日から、全世界を対象に禁止する」と方針を示すなど、政府は水際対策の強化を進めている。

 一方、来月1日からワクチンの3回目接種が始まるが、吉村知事は「僕はここが問題だと思う」と疑問を述べた。厚生労働省が示す現行ルールでは、接種完了から原則8カ月以上経過した18歳以上の人から、順次接種が開始されるが「冬は一番警戒しなければならない。なぜ8カ月待たないといけないのか」と首をかしげる。

 府では3回目接種に備え、大規模接種会場の設置など準備を進めるが、現行ルールでは高齢者でも来年の2、3月をメドに接種が始まる。吉村知事は「いまのオミクロンの変異株は、いつ感染が急拡大するか分からない。高齢者施設へのワクチン接種は早めに、8カ月待たずともやるべき。ワクチンを持っている自治体もあるのに、ルールでなぜか8カ月待たないといけない」と持論を語った。

 その上で「感染したらダメージが大きく、ワクチンの抵抗力も下がってきているのが高齢者」とし、「(第6波が)来た時の可能性を考えるのが政治、行政の役割。諸外国の状況、ヨーロッパの状況をみても、ワクチン接種が進んでいるのにあれだけ急拡大している。そういった先行事例がある。物理的な制限があるにしても、政治の力で乗り越えていくのが役割。国にはそれをお願いしたい」と求めた。