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毎日新聞 2021/12/1 19:29(最終更新 12/1 19:45) 有料記事 1075文字




 自民党の二階俊博元幹事長が率いる二階派(44人)が正念場を迎えている。安倍・菅政権では主流派の一角を占めていたが、二階氏の幹事長退任とともに人事などで冷遇される場面が目立つ。衆院選後も所属議員数を微減にとどめて一定の存在感を保つが、次の首相候補がおらず、二階氏の求心力の維持が挽回へ向けた課題となる。

 「命がけでやってもらわないと困る。しっかり健闘を祈るということだ」。二階氏は11月24日、東京都内で行った講演で、岸田文雄首相を激励してみせた。幹事長退任から2カ月弱。久しぶりに表舞台で発言した二階氏は「聞くというのは耳で聞くだけじゃだめだ。聞いたことを実行していかなきゃ聞いたことにならない」と、首相が掲げる「聞く力」への注文もつけた。

 10月の衆院選前に、二階派の最高顧問・伊吹文明元議長、会長代行・河村建夫元官房長官が引退した。所属議員の落選もあって一時は公示前の47人から37人まで減らした。しかし新人を取り込み、すぐに44人まで「V字回復」。第5派閥への転落をギリギリで阻止し、底力を見せた。

 二階氏が本部長を務める国土強靱(きょうじん)化推進本部の部屋がある党本部5階には、今も陳情の列ができ、廊…

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