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2021年12月3日 6時0分スポーツ報知

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金子恵美氏



 10月の衆院選で新潟5区から出馬し敗れ、比例復活した自民党の泉田裕彦国土交通政務官(59)が1日、国会内で記者会見し、自民党新潟県連元会長・星野伊佐夫県議(82)から裏金を要求されたと告発した一件が波紋を広げている。自民党公認で新潟県から選出された元衆院議員の金子恵美氏(43)が2日、スポーツ報知の取材に応じ「驚いたというより、新潟県連の体質としてあったよねという感じです。私も苦しんだ時期がありました」と語った。

 泉田氏は11月29日に自身のツイッターで「総選挙の闇 新潟5区」と題し「今回の衆院選で、2〜3千万円の裏金要求をされました。『払わなければ選挙に落ちるぞ』という文脈でした」と投稿。1日の会見では「約30分の音声の録音もある」とした。一方、星野氏は泉田氏の主張を「事実無根だ」と否定し、法的措置も検討するとした。

 金子氏によると、自身が2012年の衆院選に新潟4区から立候補した際にも同様のことが起こったという。当時は、星野氏ではなく、別の県議2人が自宅を訪れたといい「『国政選挙に出るのであれば、お金は当然、用意しているんだよね?』と言われました。村長だった父が対応し『選挙でも最低限のお金しか使うつもりはない』と答えたら『それじゃ勝てないよね』と言われました」と振り返った。

 1978年に初当選し、田中角栄元首相の「越山会」の県議団長などを歴任した星野氏は、党本部から「新潟に星野あり」と言われるほど絶大な力を持ち、金子氏も出馬に際し、アドバイスをもらう機会があったという。「とにかくドンなんです。子分も多く、私もお世話になった」。星野氏は、新潟県知事を3期12年務めた泉田氏を長年バックアップしていただけに、金子氏は今回の事態に首をかしげる。「泉田さんは知事時代、自民を批判していたことがあり、県連とは距離があったんですが、その時も星野さんは『まぁまぁ、かわいがってくれよ』という感じで後ろ盾になっていた。なぜこうなったのか…」

 今後は、泉田氏が音声データを公開するか否かがポイント。金子氏は「これを出さないことには、証拠がない。星野さんが否定し、何なら名誉毀損(きそん)で訴えることになれば長引く。音声が出てきたら星野さんもなかなか反応できなくなってしまうでしょうね」と今後の展開を推測した。

 ◆金子 恵美(かねこ・めぐみ)1978年2月27日、新潟県月潟村(現・新潟市南区)生まれ。43歳。2000年、早大第一文学部卒業。03年、ミス日本関東代表に選出。新潟市議、新潟県議を経て、12年の衆院選に自民党公認で新潟4区から出馬し初当選。14年も同区から出馬し再選。15年5月、同じ二階派に所属していた宮崎謙介元衆院議員と結婚し、16年2月に長男を出産。17年10月の衆院選に落選し、19年に政界引退を表明。政治評論家、コメンテーターとして活躍している。