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毎日新聞 2021/12/3 19:52(最終更新 12/3 19:52) 579文字




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日本学術会議の総会後、記者会見に臨む梶田隆章会長=東京都港区で2021年12月3日午後4時33分、西夏生撮影

 日本学術会議は3日、東京都内で総会を開き、岸田文雄首相と梶田隆章会長が早期に面談し、会員の任命拒否問題などについて話し合いをすることを求める首相宛ての要望書を決議した。同日記者会見した梶田会長は「首相と率直に意見交換し、政府とアカデミアが建設的な信頼関係の下、より良い社会の実現に向けて力を合わせていきたい」と述べた。

 要望書は「政府と学術会議が新たな関係を構築して共に歩みを進めていくことを望む」とし、会員候補6人を任命拒否した菅義偉前首相から交代した岸田首相との対話による解決に期待をにじませた。任命を求める直接の表現は避けたが、梶田会長は「基本的なスタンスは変わらない」と、6人の任命を引き続き求めていく考えを示した。



 また、総会では、優先して進めるべき大型研究計画を学術会議が約3年ごとに選定してきた「マスタープラン」を、今後は策定しない方針が示された。

 マスタープランは文部科学省が研究予算を検討する際の参考とされてきたが、任命拒否問題の発覚を機に学術会議改革への圧力を強める自民党内から「政府の予算を事実上決めている」などと問題視する声が出ていた。



 学術会議はマスタープランに代わり、分野横断的なプロジェクトを重視した研究開発の方向性を新たに提言するという。具体的な策定方針について、学術会議の分科会で来年夏ごろまでに取りまとめる。【池田知広】