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[ 2021年12月6日 05:30 ]

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天皇、皇后両陛下に成年のあいさつを終えられた長女愛子さま
Photo By 代表撮影

 今月1日に20歳の誕生日を迎えた天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは5日、皇居・宮殿などで成年の行事に臨まれた。成年女性皇族の正装ローブデコルテを着用して天皇、皇后両陛下にあいさつした。皇族の成年行事は秋篠宮家の次女佳子さま(26)以来、7年ぶり。愛子さまのティアラは陛下の妹黒田清子さん(52)から借りたもの。シンプルなデザインのドレスとともに、コロナ禍に苦しむ国民に寄り添う姿勢がうかがえた。

 女性皇族として最高の正装を初めてお召しになった愛子さまが宮殿の「西車寄」前に姿を見せたのは午後1時ごろ。報道陣から飛んだ祝福の言葉に「ありがとうございます」とほほ笑んだ。

 秋篠宮家の長女眞子さん(30)と小室圭さん(30)が先月14日、皇室の結婚関連の儀式を行わないまま渡米した記憶が新しい中での成年行事。天皇家の皇族が成人を迎えるのは黒田清子さん以来32年ぶりとなった。

 陽光の中、きらめいたのは黒田さんからの借り物のティアラ。女性皇族は成年になれば新調するのが慣例だが、両陛下と愛子さまは新型コロナウイルスの感染拡大の中で、国民生活に配慮して見送っていた。黒田さんのものは上皇ご夫妻が私的経費「内廷費」から支出したため私物扱い。愛子さまはコロナ禍を踏まえ、当面は借り物で対応していく方針だ。

 ファッション評論家の石原裕子さんによると「クラシカルで繊細な美しさがあるティアラ。今はこういう物を作れる職人さんも減ってしまった」という。愛子さまと清子さんを「飾らず自然体なところなど、心根の似たお二人」とした上で「だからこそ、愛子さまは清子さんのティアラを借りたいと思われ、清子さんも快諾されたようです」と明かした。

 女性皇族の“正装中の正装”とされるローブデコルテも、控えめな品の良さが目を引いた。こちらも成人になった証で、一人一人デザインが異なるため、どんなものになるのか注目が集まっていた。

 石原さんは「シンプルの中のシンプルというデザイン。ティアラと同じくコロナ禍で国民に寄り添う姿勢を感じる」と語った。質素で品がある皇室の伝統も継承。一方で「テーラードジャケットを合わせたのは新しい。キャリアウーマンだった雅子さまの姿を投影したのかもしれない」とした。

 愛子さまは終始笑みを絶やさず、撮影を終えると丁寧に礼をして宮殿へ。少し痩せて口元もすっきりした印象で宮内庁関係者からは「20歳を迎えられ、美しく成長された」と喜ぶ声が多数上がった。

 上皇ご夫妻との面会で東京・高輪の仙洞仮御所へ向かう際の沿道には200人を超える人が祝福に集まり、車内からにこやかに手を振って応えた。

 誕生日だった1日は大学の授業があったため、主な成年行事を休日の5日に移した。成年にあたり「できる限り両陛下をお助けしていきたいと考えております」との感想を公表している。

 今後は来年1月1日に皇居・宮殿で行われる「新年祝賀の儀」で初公務に臨む。成年を迎えた皇族の恒例となっている記者会見は、大学が春休みの3月中旬を予定。恒例の結婚観や理想の男性像を聞く質問や関連行事を行わずに渡米した眞子さんについて、どう語るかも注目される。