https://www.sankei.com/article/20211213-I5VCOMCBCNOVHHPWLWGRAH5NSE/
2021/12/13 21:20


https://www.sankei.com/resizer/TcVEZufaPhtsgaIgyO_JEuybjmA=/1200x0/smart/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/ZGLDAB2SAVKKBFZ45YKNKLDGWI.jpg
ロシアのプーチン大統領(タス=共同)

【モスクワ=小野田雄一】今月25日に30年の節目を迎える旧ソ連崩壊について、ロシアのプーチン大統領は「大多数の国民と同様、私にとっても悲劇だった」と述べた。12日に露国営テレビが放映したソ連崩壊30年を振り返るドキュメンタリー番組で発言した。プーチン氏はまた、2000年に大統領に就任した自身がソ連崩壊後の混乱を収束させ、ロシアを再興に導いたとの自負も示した。

プーチン氏はソ連崩壊でロシアが40%の領土と国民を失ったと指摘。ソ連崩壊後の1990年代について、欧米型の金融システムの導入や政治的混乱で「ロシアは弱り、一部の主権を失っていた」とした。ロシアは98年の経済危機で多額の債務を背負ったが、「2000年代に予定より早く返済できた」とも述べた。

1990年代以降に2度にわたって起き、ロシア軍が介入した露南部チェチェン共和国の独立紛争について「ロシアを解体させるために一部の欧米諸国が分離主義者やテロリストを直接的に支援していた」と持説を披露。「ロシアが解体していれば、(解体時に紛争が起きた)旧ユーゴスラビアを超える流血の惨事となっていたはずだ」と述べ、自身が紛争を終結させてロシアの解体を防いだとする認識をにじませた。

プーチン氏はまた、90年代初頭の混乱期に、自家用車で非正規のタクシー運転手のアルバイトをして追加の収入を得ていたと明かし、「このことを正直に話すのは不快だが、残念ながら事実だ」と述べた。