https://www.jiji.com/jc/article?k=2021121701137
2021年12月17日19時17分

https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/202112/20211217ds96_p.jpg
オウム真理教の後継団体「Aleph(アレフ)」の建物に入る公安調査庁の職員=2019年、東京都足立区




 公安調査庁は17日、国内外の治安情勢に関する2022年版「内外情勢の回顧と展望」を公表した。経済安全保障を特集し、軍事転用可能な技術や優秀な人材の獲得に動く中国について「今後も(日本)企業の買収や高度な技術を有する人材の招致に向けた働き掛けを行うことが懸念される」と警鐘を鳴らした。


 半導体分野などで、中国企業が日本企業に投資したり、買収を仕掛けたりしている例が見受けられると指摘。豊富な資金で海外から優秀な人材を誘致する中国の「千人計画」に日本人研究者が参加していることにも言及した。
 また、サイバー攻撃に関し、日本企業に対し「機密情報の窃取を狙った事案の発覚が相次いだ」と紹介し、「国内外で常態化・巧妙化している」と分析。中国やロシア、北朝鮮を名指しし、「国家が関与・支援した可能性が指摘されている」「脅威が深刻化している」と警戒を呼び掛けた。
 周辺国情勢では、北朝鮮について、新型コロナウイルス感染症対策で実施している国境封鎖が長期化し、物価の高騰や食糧不足が進んでいるとした。中国については、来年の北京冬季五輪や共産党大会に向け、習近平政権が「経済・社会への統制をより一層強化し、国内安定を図るとみられる」と指摘した。
 オウム真理教をめぐっては、後継団体「Aleph(アレフ)」が団体規制法で義務付けられた活動実態の報告書を提出していないとして、今年10月に同法施行以降初の再発防止処分を請求したことが記載された。