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毎日新聞 2021/12/22 09:00(最終更新 12/22 09:00) 500文字




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東京都八王子市

 東京都八王子市で生活保護を担当する30代の主任ケースワーカーが今月1日、精神疾患のある受給者の男性(41)に「頭が足りない」など人格を否定する発言を繰り返したとして男性と代理人弁護士らが20日、市に対応の改善を求めた。電話録音した発言内容を事前に伝えられた市は不適切と認め、男性に謝罪した。

 男性の代理人の白根心平弁護士によると、男性は対人関係や感情が不安定になりやすい「境界性パーソナリティー障害」と診断されている。姉との同居費用を巡って市とやりとりがこじれ、11月下旬に窓口を訪れた際パニックになり庁舎内で自殺を図って搬送された。



 この後、市に電話した男性に対し、職員が「自殺未遂をしたからって容赦しねえぞ」と発言。「あなた知能も境界レベルなんでしょ」「頭が足りないと分かっているんだったら、おとなしくして」と話したという。男性は「人格を否定された。発言はあまりにひどく、やりとりを録音した」と語った。

 市の原田親一・生活福祉担当部長は「つらい思いをさせた。あってはならない」と謝罪。担当課は「職員は発言が不適切と認めており、強く指導した。他のケースワーカーも研修させる」と説明した。【野倉恵】