https://www.jiji.com/jc/article?k=2021122201174
2021年12月22日22時38分




 【ブリュッセル時事】2014年にマレーシア航空MH17便がウクライナ東部の親ロシア派支配地域上空で撃墜された事件の公判が22日、オランダ・アムステルダム近郊の裁判所で開かれた。検察側は、殺人などの罪に問われたロシアの元情報機関員ら4被告に終身刑を求刑した。
 AFP通信によると、判決は早くても22年末になるとみられている。ロシアは事件への関与を否定し身柄引き渡しにも応じず、審理は被告人不在で進められている。
 検察側は撃墜について、被告らによる「計画され組織だった軍事行動の結果だ」と主張。地対空ミサイルを「航空機を撃墜する目的で意図的に配備することを選択した」と指摘した。その上で、乗客乗員298人が死亡した結果の深刻さを踏まえ「最長の実刑判決だけがふさわしい」と訴えた。
 4被告は、ロシアの情報機関、連邦保安局(FSB)の元大佐で事件当時は親ロシア派支配地域の指揮官だったイゴリ・ギルキン(別名ストレルコフ)被告ら。5カ国の合同捜査に基づきオランダの検察が訴追し、昨年3月に審理が始まった。
 MH17便は、アムステルダムからマレーシアのクアラルンプールに向かう途中に撃墜された。