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2021年12月23日11時01分

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【パリAFP=時事】米環境保護団体マイティーアースは16日、複数の欧州スーパーが、南米アマゾンの熱帯雨林などの破壊につながっているブラジル産牛肉製品の取り扱いを停止していると明らかにした。(写真は資料写真)
 仏大手カルフールのベルギー法人は、アマゾンやパンタナル熱帯性湿地で飼育された牛の肉を使用しているとみられるコンビーフ、ビーフジャーキー、高級部位のカット肉などを店頭から撤去すると表明した。
 こうした動きは、ジャーナリストが設立したブラジルのNGOレポルテル・ブラジルとマイティーアースが共同で行った調査がきっかけとなった。調査では、ブラジルの食肉加工大手JBS、マルフリグ、ミネルバ各社のサンパウロ工場と森林破壊の関連性が明るみに出た。
 環境活動家は以前から、世界の食肉産業が環境に与える影響を批判しており、生物多様性の喪失のうち約3分の2は食肉産業が原因だと主張している。
 ベルギーのデレーズや同国内のカルフールの店舗は、ビーフジャーキーメーカー「ジャックリンクス」の製品の販売を停止。仏スーパー大手オーシャンもJBS関連のビーフジャーキー製品を撤去すると発表した。
 世界最大の食肉メーカーであるJBSは、違法な森林破壊を「容認しない」構えで、これまでに1万4000社以上の卸売業者との取引を自主的に排除してきたとしている。ただ、JBSは自社および肉牛業界全体にとって、サプライチェーン全体に対し同様の管理を徹底することが課題となっていると認めている。
 ブラジルでは、森林破壊への関与を疑われている牧場が「クリーン」な牧場へ違法に牛を売却し、買い取った牧場が食肉加工会社にその牛を転売する「畜牛ロンダリング(洗浄)」が横行している。
 ブラジルの国立宇宙研究所(NISR)によると、昨年の森林破壊面積は15年ぶりの高水準となった。開拓地の大半が、畜牛目的とされている。【翻訳編集AFPBBNews】

〔AFP=時事〕