文書偽造、経歴詐称、賭博――。来年3月の韓国大統領選をめぐり、疑惑がくすぶる与野党の両候補に今度は家族の醜聞が相次いで噴出し、有権者の政治不信が広がっている。韓国メディアは「好感度が歴史的に低い選挙」などと批判している。

 ソウル近郊の議政府地裁は23日、土地の取引をめぐって私文書偽造などの罪で起訴された保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長(61)の義母に対し、懲役1年の実刑判決を言い渡した。

 地裁は、義母が2013年に、ソウル近郊・京畿道城南市の土地を投資目的で購入する過程で、銀行に349億ウォン(約33億円)の預金があるかのように装った通帳残高証明書を偽造したと認定した。義母は今年7月にも、医療資格を持たないのに療養病院を開設し、診療報酬を不正に得た医療法違反などの罪で懲役3年の実刑判決を受け、保釈中だ。

 また、義母の娘である尹氏の妻も最近、07年に大学の教員採用に応募した際の履歴書に、経歴を偽って記載したことが報道で発覚した。尹氏は「私が強調してきた公正と常識に合っていない」と述べ、謝罪に追い込まれた。

 一方、世論調査で尹氏と競り合う進歩系与党「共に民主党」候補の李在明(イジェミョン)前京畿道知事(57)も、家族のスキャンダルに頭を抱える。長男が違法な賭博にのめり込んでいた疑惑が16日に大手紙で報じられた。李氏は事実関係を認めて謝罪し、「刑事処罰に当たるなら当然責任を取るべきだ」と釈明したが、騒動は収まっていない。

 大統領選では、両候補自身の…(以下有料版で,残り470文字)

朝日新聞 2021年12月23日 19時30分
https://www.asahi.com/articles/ASPDR62LWPDRUHBI01Z.html?ref=tw_asahi