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毎日新聞 2021/12/26 11:00(最終更新 12/26 11:00) 有料記事 1411文字




 政府が、来年2月に開幕する北京冬季オリンピック・パラリンピックに閣僚ら政府高官を派遣しないと発表したことを受け、スポーツ関係者からは「スポーツの政治利用だ」と批判する声も聞こえる。日本オリンピック委員会(JOC)は静観する構えだが、今夏の東京五輪の開催を通して「スポーツの力」を訴えてきた五輪関係者の姿勢が問われている。

「五輪の政治利用」の指摘も
 平和の祭典とされる五輪だが、各国首脳が集まる開会式などは外交の舞台となってきた。2014年ソチ冬季五輪では、米国や欧州の首脳の多くが開会式への参加を見送ったが、日本は安倍晋三首相(当時)が日露関係を前進させるとして出席した。

 中国による新疆ウイグル自治区での迫害など人権問題を理由に、米国や英国、オーストラリアが外交的ボイコットを表明。これに対して、日本は「外交的ボイコット」との文言を使うことを避けることで対応の違いを示した。しかし、JOCの元理事は「完全に政治判断による決定だ。直近の夏季五輪を開催した国として政府関係者を派遣すべきだった」と五輪に政治を持ち込んだことを批判した。日本が中国に対して人権状況の改善を求めるならば、あくまで政治や外交手段ですべきだとの考えだ。

ボイコット苦い経験も 物言えぬJOC
 日本からは東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長、JOCの山下泰裕会長らが招待を受けて出席する。橋本氏は…

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