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2021年12月27日07時05分

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【図解】危機的な火災での避難行動




 大阪市北区のビル放火事件では、火が約30分で消し止められたものの、一酸化炭素中毒などで25人もの犠牲者を出した。ガソリンをまき放火されたような危機的状況で、どのように身を守ればいいのか。京都市消防局は、36人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件の生存者から聞き取り調査し、昨年3月に指針を策定している。
 京アニ事件では3階建てのスタジオが全焼。2階の窓から避難したり、1階のトイレに逃げ込んだりして34人が犠牲を免れた。同消防局は聞き取り調査して避難行動を分析、検証した。
 指針は火災の危険度を3段階に分け、レベルに応じた避難行動を紹介。フロア全体に煙が流入する最も危険なレベル3では、身を低くし、口元をハンカチなどで押さえ、浅い呼吸をしながら避難するよう推奨している。
 建物の上階にいて、煙のため階段で避難できない場合はどうするか。2階では窓やベランダから逃げることを推奨。避難器具がない場合は飛び降りず、クッションなどを投げ下ろし、手すりや窓枠にぶら下がって手を離すよう勧めている。
 3階以上では窓からの避難は難しい。一時的に煙や炎の侵入を避けるための「一時避難スペース」を確保することが有効だという。ドアと壁の隙間や鍵穴をテープやティッシュで目張りし、窓があれば下を向けて頭を出し、外気を吸いながら救助を待つ。
 同消防局は指針を基にパンフレットを作成し、事業者に配布している。担当者は「火災時に階段が使えない場合の避難経路を普段から確認しておいて」と求めている。