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毎日新聞 2021/12/27 19:11(最終更新 12/27 20:05) 713文字




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記者会見する末松信介文部科学相=東京都千代田区で2021年12月27日午後6時34分、西夏生撮影

 末松信介・文部科学相は27日、国公立・私立大の個別入試について、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」感染者の濃厚接触者でも、無症状であれば別室で受験を認めると明らかにした。24日に入試に関するガイドラインを改定し、症状の有無にかかわらず受験を認めないとする通知を出したが、各地でオミクロン株の市中感染が確認される中、受験生らの不安や反発を受けて撤回した。

 末松氏は27日夜、文科省で臨時の記者会見を開き「担当部署でもう少し時間をかけて検討し決定すれば良かった。不十分だったと認識している」と陳謝した。



 文科省は、ガイドラインを再度改定し、別室での受験を認める。オミクロン株以外の濃厚接触者と同様、PCR検査で陰性▽受験日は無症状▽公共交通機関で試験会場に行かない――などを満たすのが条件となる。高校や中学の入試でも同様の対応を取る。大学入試センターも来月15、16日に迫った大学入学共通テストでも、受験を認める方針を近く公表するとみられる。

 政府は、オミクロン株の濃厚接触者に対し、宿泊施設などで14日間待機するよう求めている。文科省はこれに対応し、待機が求められている場合は、大学入試について症状の有無にかかわらず認めず、追試や日程の振り替えなどで救済するよう各大学に通知した。



 だが、文科省の通知に対し、ツイッターなどでは受験生への配慮に欠けているという批判が高まった。政府内からも「このままでは大変なことになる」との声が上がった。

 政権の支持率低下にもつながりかねず、岸田文雄首相が26日に「受験生が不安を持っている」と懸念を示し、末松氏に別室受験も含めた救済策を検討するよう急きょ指示した。【千脇康平、田中理知】