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2021年12月28日13時56分

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遠山清彦元衆院議員




 「公明党のホープ」と呼ばれた遠山清彦・元衆院議員(52)。緊急事態宣言下でのクラブ訪問で議員を辞職し、再起を図る矢先の在宅起訴となった。社長が詐欺罪などで立件された「テクノシステム」とは親交を深めていた。
 「クリーンなイメージ。将来の公明党代表候補だった」。ある支援者は遠山元議員の印象についてこう語る。
 2001年の参院選で初当選し、2期目の途中で衆院比例代表九州ブロックにくら替え。衆院議員4期目の19年9月からは財務副大臣を1年務めた。今秋実施された衆院選には神奈川6区からの出馬が当初予定されており、党を挙げて選挙運動に注力していた。
 だが今年1月、緊急事態宣言下の深夜に東京・銀座のクラブを訪れていたことなどが発覚し、2月に議員辞職。辞職後は都内でコンサルタント会社を設立し、40社以上の企業顧問を務めるなど再起に向け活動を始めたばかりだった。
 ともに在宅起訴されたテクノ社の牧厚元顧問(74)とは、7月に死去した藤井富雄・公明党元最高顧問を通じて数年前に知り合ったとされる。多業種の実業家らが集う牧元顧問主宰の交流会に遠山元議員も参加し、人脈を広げていた。「(遠山元議員は)必ず日本にプラスになる」と、牧元顧問は支援や協力を惜しまなかったという。
 人脈が広がる中で、起訴内容となった日本政策金融公庫の融資仲介など、企業との癒着も増えたとみられる。遠山元議員は時事通信の取材に「私は顔の広い政治家だったので、公庫の窓口紹介も300社くらいしている。テクノ社もそのうちの一社」と話していた。
 詐欺罪などで起訴されたテクノ社社長の生田尚之被告(47)を遠山元議員に紹介したのも牧元顧問で、3人は高級クラブで飲食する間柄だった。取材に牧元顧問は「クラブで生田被告は数百万円分の代金を支払った」と話していたが、遠山元議員は「全部生田さんが払って豪遊したという印象はなかった。私の公的な権限に関わることで接待を受けたり、便宜を図ったりしたことはない」と否定していた。