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毎日新聞 2021/12/28 20:51(最終更新 12/28 22:06) 有料記事 1511文字




 新型コロナウイルス対策の特別融資を巡り、東京地検特捜部に28日に貸金業法違反で在宅起訴された元衆院議員の遠山清彦被告(52)は「公明党のプリンス」と呼ばれ、将来を嘱望される存在だった。ただ、酒とカネに甘いとの評判もつきまとった。「夜の街」での行動で政治生命を失い、さらには刑事責任を問われる事態に発展した。

 「キンさん、ちょっとおいで」。新型コロナが猛威を振るう前の2019年10月、東京・銀座の高級クラブで談笑する遠山元議員を、同席した環境関連会社役員の牧厚被告(74)=同法違反で在宅起訴=が、時代劇「遠山の金さん」にちなんだあだ名で店の隅に呼び出した。遠山元議員が行くと、牧被告に促されるように、隣にいた男性が封筒を差し出した。中には現金が100万円。日本政策金融公庫の融資を希望する会社の社長だった。「公庫の担当者を紹介してあげてよ」。牧被告の言葉に、遠山元議員は迷わず封筒を受け取った。

 牧被告は今年9月、毎日新聞の取材に、違法な融資仲介の始まりを詳細に語った。遠山元議員は現金を受け取った当時、副財務相に就任したばかり。公庫は財務省の所管だった。その後、…

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