https://www.sankei.com/article/20220103-OXQ522Q4ORLZDEUYEHHTCXVE5Y/
2022/1/3 19:51


総務省が、次世代高速通信網の第6世代(6G)移動通信システムについて、特定メーカーの技術に依存しない開かれた基地局整備を推進するための国際会議を立ち上げることが3日、分かった。現在最新の5Gの基地局は、中国の華為技術(ファーウェイ)が高いシェアを獲得し安全保障上の懸念も指摘されている。このため、6Gでは欧米とも連携してオープンな通信網整備のガイドライン(指針)を策定。特定企業による寡占化を防ぐ狙いだ。

今回の国際会議で議論するのは、さまざまなメーカーの基地局向け機器を自由に組み合わせることができる「Open RAN(オープンラン)」と呼ばれる通信環境。オープンランの促進は、昨年開かれた日米豪印4カ国の連携枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会談の合意事項の一つで、同会議はその具体策にも位置づけられる。

会議は欧州や台湾などの通信事業者らが参加して3月にも初開催する方向で調整しており、今秋に予定する第2回会合には米国やオーストラリア、インドも参加し、活動を本格化する。

オープンランのメリットや先行して取り組んでいる欧州や日本などの通信事業者から導入方法などを聞き取った上で、未導入の国・地域での環境整備に向けた指針を年内にも作成する。また、各国・地域に開設されている基地局を構成する機器の接続試験を行う検証センターの連携も目指す。

国内では、NTTドコモや楽天モバイルが、NECや富士通などと連携してオープンランを既に導入しているほか、KDDIも、富士通や韓国サムスン電子の技術を活用し3月にも商用運用を始める方向。国際的にオープンランが広がれば、競争促進による基地局の整備コストの低減につながる期待もある。